
私たちは、個々の時代の中で入手可能な素材や技術を用いて建築を設計し建設しますが、その際、建築という形式は時代を超えて存在していることに気づかされます。建築には、そういった独特の性質=自律性が備わっています。
しかし、別のレベルでは建築はまさしく時代を映す鏡となります。「かけがえのない地球」という理念が広く認められるようになった現在、建築および建築の集合体である都市は、持続可能な発展という文明の設定したフレームワークに敏感に反応します。そのキーワードのいくつかを順不同に列挙してみましょう。環境共生、グローカル、免震、景観、新エネルギー、脱nLDK、シックハウス症候群等。社会変動は、必ず建築のコンセプトに影響を与えるといわれる所以ですが、大学教育もこの2つの側面を同時に満足するように不断の努力を続けています。

建築の位置


建築は単なる実用性を越えて美しいデザインや造形を表現し、人々に感動を与えます。グローバルな世界を対象に、古今東西の豊かな経験を科学するとともに、新たな社会要求に応えて、現代を表現する建築と、それに関わる広く高度なテクノロジーを研究しています。
建築計画分野
建築や都市は、環境・構造・材料・構法・施工・法規など、より実践的な技術によって支えられています。一方、実体としての建築や都市をまとめ上げてゆく時には、これらの知識や技法を導入しつつ、全体を流れる明確な構成の論理が重要です。建築が人に何を語りかけ、社会に何を訴え、自然とどう対話できるのか、そうした視点が必要です。「容器(うつわ)を超える建築」を実現する上で欠かせない計画、設計、歴史、ランドスケープ、その他多様な周辺分野について深く広く研究するのがこの計画分野の大きな特徴です。
建築構造分野
日本は地震や、台風など、建物に対しての自然条件が最も厳しい場所に位置します。これらの過酷な条件に建物が耐えうるためには、どのような力が作用するのかを解明し、求める空間に対してどのような構造システムが最適なのか、そのシステムによりどのように力が流れるかを判断しなければなりません。建物の揺れ、破壊の方程式は、変位、速度、加速度に、それぞれ係数がついたものにすぎません。たった3つの現象に無限の解が含まれているのです。コンピュータの目覚ましい進歩により、方程式の解を求めることは容易になってきていますが、一方で安全・快適・耐久性のある空間を提供するための夢のある構造システムを探究することが大切です。
建築環境設備分野
建築は、自然環境の中に存在し、様々な“自然外力”や、近年は“人為的外力”にさらされています。そのような中で、人間は永年の間に知恵を培い、雨風や暑さ寒さなどから身を守るように住まいを造ってきました。この分野では、自然の外力を熱・光・空気・音・振動・火などに分類し、それらと人間との関係を科学的に解明することにより、人間の安全と快適、利便、そして健康を確保するためにどのような設計を行ったら良いかを追究しています。いわば日常的に利用する人間の快適性に対して、最も近いところに位置する分野、それが建築環境設備です。
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