はじめに

 プログラム言語には、basic、Fortran、c、Pascal、Cobolなどいろいろなものがあり、それぞれ特徴を持っています。Fortranは古くからある数値計算用の言語です。Fortranの言語仕様は何回か改定されていますが、ここではFortran77(1977年度仕様)を中心に、Fortran90(1990年仕様)も含めて説明します。

プログラム作成の手順

 一般的なプログラム作成の手順は図のようになります。まず、問題を分析しプログラムを設計します。例えば、プログラムの構成をどうするか、入力データをどうするか、出力するものは何か、出力の形式をどうするかなどを考えます。プログラムの設計ができたら、それにしたがってプログラム(ソースプログラム)を記述します。入力データも必要であれば準備します。
 プログラム言語は人間が記述し易いように人間の言葉に近い構成になっています。しかし作成されたプログラムはコンピュータが理解し実行できるものではありません。コンピュータが実行できる形式(機械語)に翻訳する必要があります。この翻訳作業をコンパイルといいます。コンパイル時にはプログラムの文法のチェックが行われ、文法の間違いがあるとエラーメッセージを表示しコンパイルを中断します。コンパイルエラーがあった場合はプログラムを修正してもう一度コンパイルします。コンパイルが正常に終了すると、オブジェクトプログラム(拡張子 .obj のファイル)が作成されます。
 次に実行形式プログラム(拡張子 .exe のファイル)を作成するため、プログラムで使用するライブラリなどをリンク(結合)する作業が行われます。リンク時にプログラムで使用するライブラリなどが見つからないとリンクエラーを表示してリンクの作業を中断します。リンクエラーの原因を解決してもう一度コンパイルからやり直します。リンクが正常に終了すると実行形式プログラムが作成されます。実行形式プログラムを実行すると結果が得られます。得られた結果が予想されたものであるか検討します。文法のエラーがなくても、プログラムの入力ミスをしている場合もありますし、プログラムの論理的な間違いがある場合もあります。それぞれの手順に戻って、プログラムの修正、コンパイル、リンク、実行を繰り返しながらプログラムを完成させていきます。